初期投資で決まる!?本当の意味でエコな住宅の作り方

今の時代、せっかく注文住宅を建てるなら、やっぱりエコな家にしたい!と考える人も多いのではないでしょうか?無駄なエネルギーを使わない省エネ・エコ住宅は自然にもお財布にも優しい理想の住宅ですよね。

でも1つ気を付けてほしいのが、エコを重視するあまりに住んでいる人の不便や不安が増えてしまうことです。それではいくらエネルギーを節約できても、本当の意味でエコな我が家であるとは言えません。エコ住宅を名乗るからには、我慢や無理をすることなく、快適&スマートにエコな暮らしを実現することが目標です。そこでここでは、我が家をエコ住宅にするための、家づくりのポイントをご紹介します。

一番大切なのは、家の外側と内側、療法から省エネを考えることです。住宅のエネルギー消費について考えるとき、ついつい明確に電気やガスを消費する設備機器に目が行ってしまいがちです。もちろん、より電気消費量の少ない家電やより熱効率の良い『エコキュート』『エコジョーズ』などの給湯器を選ぶことはエコ住宅には欠かせません。

ただ、どんなに性能の良い設備を使っていても、入れ物が悪ければその意味は半減してしまうのです。外壁や屋根に加えて、窓やドアといった開口部の断熱性は、そういう意味ではとても重要です。目に見えにくい部分なのでコストカットの対象になりがちですが、しっかりお金をかけることをおすすめします。

また、熱効率という観点から見ると、間取りの取り方も決して軽く考えてはいけません。人気の吹き抜けやリビング階段は、熱効率の観点から考えると冬場の温かい空気をリビングから逃がしてしまうなど、デメリットもあります。気候の変化に伴う空調にかかる費用は、家庭の光熱費の中でも少なくない割合を占めるものです。省エネ家電を取り入れると同時に、熱効率を上げる工夫をすることで、その性能を最大限活用しましょう。

エコ住宅にしたいけど、あまり手間をかけたり難しいことを考えるのは気が進まない…という人には、昨今各種ハウスメーカーで取り扱いが急増しているスマートハウスがおすすめです。スマートハウスとは、ITの力で自らエネルギーを家庭内で効率よく使えるように工夫する家のことです。

単純に家庭内での無駄な電気使用を減らすだけでなく、太陽光な発電システムなどの発電設備によってエネルギーを創出し、リチウムイオン蓄電池などの装置によって余った電気を貯めこむという3方向からの働きかけが主流です。さらに家庭内のエネルギーを集中管理するHEMSというシステムが併用されます。

こうして具体的に方法を挙げてみると、省エネ・エコ住宅をつくるには通常よりも初期投資が多く必要になる可能性が高いことわかると思います。したがって、無理にすべてを取り入れようとするのはあまり賢明な行動であるとは言えません。

しかしその一方で、ランニングコストは確実に抑えられます。また、自治体や電気・ガス会社などによってはエコな設備やシステム、あるいは住宅自体に対して補助金や割引などの優遇措置を設けているところも少なくありません。そうした兼ね合いも考えて、ぜひバランスの取れたエコ住宅の実現を目指してみてください。

建てたら終わりじゃないんです!我が家にかかる税金とは?

注文住宅の建築には何千万円というお金がかかります。それは当たり前のことであって、その点に関しては家を建てようと決めた時に覚悟している人がほとんどでしょう。しかし、建てた後のことはどうでしょうか?住宅ローンさえ支払えば、それ以外にかかるお金はないと思っている人はいませんか?マンションと違って管理費や維持費がないからお得!と決めつけていませんか?実は一戸建ての住宅でも、決して完成したらそれで終わりとは言えないんです。

注文住宅を取得し、所有していくうえで決して無視できないもの、それは税金です。住宅が完成して自分のものになった時、そして今後暮らしていくために、段階ごとに支払わなければならない税金が、実は複数あります。ここではそんな注文住宅の取得・所有にかかる税金について、主なものをご説明しましょう。

まず住宅の取得時にかかる税金として大きいのが、不動産取得税です。その名の通り、不動産を取得した際に納めることが定められている税金で、原則として固定資産税評価額の4%の金額を支払うことになっています。ここで注意してほしいのが、ベースとなる金額の固定資産税評価額というものです。これは国や自治体が定める基準に基づいてその土地や建物の資産としての価値を評価して算出される金額であって、実際にその土地や住宅を購入・建築した際にかかった金額とは異なります。

ただしこの不動産取得税に関しては必要な条件を満たせば一定の控除が受けられます。床面積にして50㎡以上240㎡以下の建物であれば固定資産税評価額から1200万円、長期優良住宅なら1300万円の控除があったうえでの課税というのがその条件です。したがって、注文住宅で家を建てた場合かなりの人がこれに当てはまると言えるでしょう。

もう1つ、住宅を保有していると発生する主な税金として固定資産税が挙げられます。毎年1月1日時点で土地・家屋といった償却資産を保有している人に課せられる税金です。こちらも不動産取得税と同様に固定資産税評価額を基準としており、その金額の1.4%が基本の納税額になります。ただしこの税率に関しては市町村に設定権があるため、多少上下することもあります。

この固定資産税評価額は3年に1度の評価替えがあり、建物の劣化に伴って少しずつ金額が低くなっていきます。また、評価の基準が時期や地域によって異なる場合もあり、大きなかい離が生じてしまうことがあります。そうなると負担調整が行われ、課税額が当初の予定と変わることもあり得るので注意が必要です。

このほかにも住宅保有者に課せられる税金として都市計画税というものがあります。これもまた固定資産評価額を基準に課税されるものです。その税率は0.3%を上限として、市町村ごとに裁量が任せられています。

このように一戸建ての家を持つというのは手に入れてからも少なからぬお金がかかることなのです。とはいえローン控除のような減税措置もあるので、それを考えればある程度相殺できていると言えないこともありません。思いがけない出費で焦ることがないように、住宅取得・保有にかかる税金についてもしっかり把握しておきましょう。

知らなきゃ損する!注文住宅の補助金やローン控除のこと

注文住宅で家を建てよう!と決意したものの、やはりお金の不安がある…という人は少なくないですよね。一度に出ていく金額の大きさ、住宅ローンを支払っていく期間の長さなどを考えると、それも無理のないことです。

お金の不安を完全に解消することは難しいですが、集中して家づくりに取り組むためには、できる限り心配の種を減らしておきたいものです。そこでここでは、気になるお金の悩み・不安を少しでも軽くするために、注文住宅のお金に関する助成制度について少し詳しくご説明しましょう。

まず補助金についてですが、近年、特に新築住宅に対する補助金の種類は増えてきています。その軸となるのは『エコ』の観点です。電気・ガス・水道などの関する様々な設備について、基準を満たすエコなものを採用すると、その導入に対して補助金が支払われます。

例えば給湯器のエコキュート・エコウィル・エコジョーズ、あるいは太陽光発電システム、家庭用の電気生ごみ処理機などがその対象になります。またその他にも、高気密・高断熱住宅に対する補助金、2世帯住宅取得の助成金など、新築住宅に対する補助金制度は複数あります。国だけでなく、県や市などの自治体が独自に設定しているものも多いので、注文住宅の新築を考える際には必ずチェックするようにしてください。

もう1つ、忘れてはいけないのがローン控除です。住宅ローンを組んで住宅購入・増改築などをした際に、必要要件を満たせば一定期間所得税から決められた額が還付されるというのがその大まかな仕組みです。もともとは平成25年までで終了の予定でしたが、税制改正によって4年の延長が決まり、平成29年までは適用が続くことになりました。

適用開始年度によって、その控除額や適用期間は少なからず異なるのですが、現状では住宅ローンの支払い開始から10年間、ローン残高の1%に当たる金額が還付されるということになっています。対象となる上限額は4千万円ですが、長期優良住宅の場合は5千万円まで上限が上がります。つまり、10年間で最大400万円、あるいは500万円のお金が返ってくるというわけです。

ただし、支払った所得税以上の金額は当然返ってきません。また、ローン残高が減るにつれて控除額も減っていくことになります。繰り越し返済などでローン残高を大幅に減らせば、それに合わせて控除額も当初の予定よりは少なくなります。上記の最大額の控除が受けられるのは、支払いから10年たってもローン残高が4千万円、ないし5千万円あるという場合です。

ちなみに補足として長期優良住宅についても説明をしておきましょう。長期優良住宅というのは、長期優良住宅普及促進法によって定められた複数の基準を満たす住宅です。その名の通り、長期間の保持に耐えうる品質を持つとされています。建築時のコストは通常の住宅に比べると2割ほど高くなりますが、長い目で見れば維持費用は低く抑えられると考えられます。上記のような優遇制度があるのも魅力です。

家を建てるとなると、建築費用はもちろんのこと、完成して住み始めてからも固定資産税や維持・リフォーム費用など少なくないお金がかかることになります。補助金やローン控除をしっかり活用して、金銭面の損を少しでも減らしましょう。

暮らしの質を変える?注文住宅だからこそ照明にもこだわるべし!

せっかくの注文住宅、外観や設備はもちろんのこと、やっぱり一番こだわりが出るのは内装・インテリアですよね。でも一口にインテリアといっても大きな家具やカーテン、ちょっとした小物に至るまでとにかく決めることの多い中で、すべてに手を抜かず選び抜くというのは思った以上に労力のかかるものです。そんな中で、特に建築時にきっちり考えておいてほしいものの1つとして、照明が挙げられます。

その理由は2つあります。まず1つ目に、照明、もっと言えば電気関係の設備の配置というのは家が完成してから変更したり付け加えたりするのが非常に難しいということです。建築後にコンセントを増やしたり、新たな照明設置個所を設けるには少なからぬ資金と工事が必要です。

もう1つは、照明こそが他のどんなインテリアにも増して暮らしの質を左右する要素であるということです。どんなに選び抜いたこだわりの家具もオフィスのような蛍光灯の明かりの下では台無しですし、反対に雰囲気ばかりを重視したホテルライクな間接照明だけでは生活に十分な明かりとは言えません。では暮らしの質を高める照明選びのポイントとは何なのでしょうか?

もっとも重要なのは、やはり明るさです。照明の本質は言わずもがな『照らすこと、明るくすること』です。したがって、必要な明るさを提供できない照明はいかにセンスが良くとも、空間にマッチしていてもベストではないと言わざるを得ないでしょう。リビングや寝室、玄関など、空間の用途に合わせて必要な明るさを確保することを照明選びの大前提にしましょう。

といっても、家事をしたり、食後に家族でくつろいだりと過ごす時間帯や休日・平日などの違いで用途が変わるリビングのような空間もあります。その場合は、メイン照明に壁面照明やスタンド照明などを組み合わせて使い分けたり、明るさを調節できる照明器具を選ぶのがおすすめです。また、複数の照明器具の組み合わせは、『どうしても使いたい照明器具があるけれど明るさが心もとない』などという時にも便利です。

また、照明の色合いも決しておろそかにしてはいけません。白熱灯のような黄色っぽい温かみのある色合いは、リラックスできる空間づくりに一役買いますし、食事をおいしそうに見せる効果もあります。その一方で、勉強や読書、料理など、集中して行いたい細かい作業には不向きです。そうした作業向きの蛍光灯に代表される白い明かりは、反対にゆったりと過ごす空間には向きませんし、料理を味気なく見せてしまいます。

このように、照明はその空間の雰囲気を決定づけ、暮らしの質を左右しかねないパワーを持っているのです。注文住宅のインテリア・空間づくりにおいて、照明こそが一番の立役者だといっても過言ではないでしょう。最近では、電気代がお得で人気のLED照明もだいぶ価格が下がり、様々なタイプ、色合いのものが登場しています。ぜひしっかりこだわって、最高の空間を作り上げましょう。

見えないところも大事です!主要工法のメリットデメリット

家を建てるとなると、ついつい外観や内装など目に見えるところに気持ちが言ってしまいがちですが、見えないところも忘れてはいけません。大切な我が家をこれから何十年と支え続けていくベースとなる工法についても、しっかり考える必要があります。

住宅の工法なんてどこもたいして変わらないと思ったら大間違いで、実は工法というのはハウスメーカーや工務店によっては非常に重要なポイント、売りになるところなのです。つまり工法を知ることは、施工依頼先を選ぶうえでの1つの基準にすることができます。ここではそんな注文住宅の4つの主要工法について、メリット・デメリットを含めて詳しくご説明しましょう。

まず1つ目は木材で枠組みを作っていく木造工法です。日本に古くからあるごく一般的な工法で、だいたい住宅の8割程度はこの方法で建てられています。間取りが開口など設計の自由度が比較的高く、木の温かみを感じられるという点も魅力です。ただし手作業で進められるため大工や職人の腕に左右される部分が大きく、またそれが出来上がり後の強度にも影響する場合があります。ですがそれらのデメリットは、あらかじめ木材を工場でカットしておくプレカットやボルトなどの金物を継ぎ目に入れて強度を高める金物工法で解消されてきています。

2つ目は2×4(ツーバイフォー)工法と呼ばれるものです。こちらも基本的には木造ですが、木材の枠組みではなく壁という面の形で建物を支えるという点で大きく異なっています。面構造により強度・耐震性は非常に高く、工場生産部材がほとんどなので職人の腕によって仕上がりが変わることもほとんどありません。デメリットとしては、壁基準で設計するため間取りの自由度がやや低く、将来的にリフォームがしにくいという点が挙げられます。

3つ目は鉄骨造です。鉄骨の暑さによって、重量鉄骨造と軽量鉄骨造に分類され、軽量鉄骨造はプレハブ工法とも呼ばれます。木造に比べて骨組みの強度が強いため空間を広く取れるというメリットがあり、加工のしやすさを活かして複雑な形状をつくることもできます。ただし錆びやすさ、熱伝導の高さなど鉄骨ならではの弱点があるので、それを補う技術を持つ施工者を選ばなければなりません。

最後の1つは鉄筋コンクリート造です。RC造とも呼ばれます。鉄筋を軸にしてコンクリートで肉付けをするという構造になっており、大きな建物やビルなどをつくるのにも使われる工法です。強度・耐久性ともに建物としては最高クラスで、断熱性にも優れています。型枠さえ作れば建物の形状も自由に作ることができます。ただしその材質上非常に重量があり、建てる土地を選ぶ工法です。また、コストも4つのうちで最も高くなります。施工難易度も比較的高めです。

4つの主要工法にはそれぞれ特徴があり、土地や建てたい建物によって、適する工法が変わってきます。違いをしっかり把握してベストな工法を選ぶことが、本当の意味で最高の我が家をつくり上げるためにはとても大切です。

その家、子どもにもやさしいですか?子育てしやすい家づくり

今から注文住宅で家を建てよう!という方の中には、まだ小さなお子様のいる方、これから子どもが欲しいと考えている方も少なくないと思います。そうしたいわゆる子育て世帯にとって、家づくりにおいて『子育てのしやすさ』というのは非常に重要なポイントの1つですよね。幼い我が子が少しずつ成長していき、いずれは独立するまでの十数年という月日を見守る家は、やはり子どもにやさしい場所であってほしいものです。そこでここでは子育てしやすい家づくりにスポットを当ててみましょう。

子育てのしやすさを考えるうえで、もっとも重要になるのはやはり間取りや空間の取り方です。子どもが健やかに育っていく過程で、家族間での健全なコミュニケーションと適度なプライベートの時間というのはどちらもバランスよく必要なものです。例えば最近人気のオープンなLDK、リビング階段や吹き抜けは、空間を広く見せる効果があると同時に、家の中で家族がお互いの存在を感じ、適度に顔を合わせるためにも一役買うものです。

また、子ども部屋とは別にリビングなど家族集まる場所にスタディスペースのような子どものための場所をつくるのもおすすめです。いずれ思春期という難しい年ごろを迎える子どもにとって、一人の時間を持つことのできる自室は大切な空間ですが、それだけでは家庭内で孤立してしまうこともあるかもしれません。そこでリビングという家庭内の公共の空間に居場所をつくることで、子どもが必要な時に出てこられる場所になりうるのです。

間取りに関していえば、これは子育て世帯に限った話ではありませんが、収納を充実させておくことも非常に大切です。今はまだ小さくて身の回りのものも少ない子どもも、成長していけば学校用品やさまざまな習い事の道具、服飾品などあっという間にものが増えていきます。時期が過ぎれば処分できるものもありますが、中にはどうしても捨てられないものというものももちろんあるでしょう。そんな時、収納スペースに余裕があれば無理なく大切なものを取っておくことができます。

もう1つ、子育てのしやすい家に必要なこととして、バリアフリーが挙げられます。小さな子どもというのは、大人が思いもしないようなところで怪我をしたりするものです。また、駆け回って子どもの世話をするお母さんにとっても、極力不便や危険のない家がのぞましいですよね。できれば家の中はほとんど段差のない作りにすること、そしてドアはぶつかったり手を挟みやすい開き戸よりも、引き戸がおすすめです。ゆっくり閉まるショックレスクローズ構造のものだとなおよいですね。

また、お風呂や洗面、トイレなどの水回りはやや広めにとっておくと、子どもの面倒を見るのも楽になります。要所要所に手すりを付けておけば、足元の心もとない幼い子どもにとっては少なからず便りどころとなるでしょう。こうしたバリアフリー住宅は、子どもが小さいうちだけでなく、いずれ自分たち自身が年を取って体が不自由になってきた時にも必ず役に立ちます。

子どもにやさしい家は、ひいては家族みんなにやさしい家であるともいえます。せっかくの注文住宅、子どもが『このおうち、大好き!』と言ってくれるようなやさしい家になるように考えてみませんか?

ケチると後悔するかも!?水回り設備選び虎の巻

注文住宅で家を建てるとき、決めなければいけないこと、考えなければいけないことの多さに圧倒されてしまう人も少なくないでしょう。そんな数多くの決定を迫られる中で、いちばん力を入れるべきところというのは何だと思いますか?私に言わせればそれは、おしゃれな外観でもなく、統一感のある内装・インテリアでもなく、水回り設備です。

水回り設備とはすなわち、お風呂、洗面、キッチン、トイレを指します。人が毎日生活していく中で、これらの水回り設備と全くかかわらない日というのは、一日たりともありません。水回り設備の充実度がそのまま生活の充実度を左右しかねない力を持っているといっても過言ではないでしょう。ここではそんな大事な水回り設備選びで失敗しないための、重視すべきポイントを大事な順に3つご紹介します。

まず1つ目は、掃除のしやすさです。水回りというのは、とにかく汚れやすい場所です。水垢やカビ、排水溝といった共通の汚れに加えて、キッチンの調理汚れ、トイレの尿はね、お風呂の皮脂汚れなど挙げればきりがありません。床にたまるほこりなどと違ってべたつきやニオイのあるそれらを掃除するのはとても憂鬱なものですよね。そこで水回りを選ぶ際には、汚れが付きにくいこと、付いた汚れを落としやすいこと、というのが何よりも重要になります。

2つ目は使い勝手の良さです。上でも述べたとおり、水回り設備というのは基本的に毎日必ず使うところです。したがって使いにくかったり、快適な空間でなかったりすると非常にストレスになってしまいます。間取りを考えるうえでの生活動線でも水回りのつながりの良さは特に重視すべきところですし、キッチンやお風呂といった空間自体が比較的広い水回りではその内部での動線も軽く考えてはいけません。

3つ目は節約・エコの観点です。繰り返しになりますが毎日必ず使う水回り設備は、日々大量の水と場合によっては電気を消費します。この消費を仕方ないものと考えてはいけません。最近では水回り設備関連の会社の節水競争は過熱しており、新しいものほどより節水でエコ商品になってきているのです。例えばトイレなどは、10年以上前と比べると一度に使う水の量は10リットル近くも違うこともあります。こうした節水商品を選ぶかどうかということが、毎月の水道代に少なからず影響を与えるのです。

以上が水回り設備を選ぶうえで最重要となる条件です。デザインがどうか、インテリアとしての調和がどうかというのは、正直なところこの条件を満たしていて初めて考えられるところでしょう。どんなにおしゃれでスタイリッシュでも、汚れやすい・使いにくい・水の無駄が多いの3拍子揃ってしまえば美しい水回りとは言えませんよね。

これらの3つの条件を満たすものを選ぼうと思うと、コスト面ではやはり少し高めになってしまいます。しかし長い目で見れば、間違いなく初期投資にお金をかけておいた方がお得になると断言できる部分です。ぜひ3つの条件をよく考えて、後悔のない水回り設備選びをしてください。

完璧な家に欠かせない!見落としがちな外構プランニングのコツ

更地に注文住宅で家を建てるとなると、やはり庭づくりにもこだわりたいという方は少なくないと思います。草花あふれる緑の多い庭、家族や友人が集まれる空間、はたまたペットや子供が思いっきり遊べる場所…など、家と同じように庭に対しても考えれば考えるだけ希望はふくらんでいくものでしょう。

しかし庭づくりというのも案外簡単なものではありません。土地の特性や状況を考えずに理想だけを当てはめても、思い描いた通りの庭にはなかなかなりませんし、予算も思った以上にかかってしまうことがあります。そこでここでは、案外見落としがちな外構プランニングのコツについて、詳しくご紹介していきましょう。

まず庭づくりの第一歩として非常に重要なのがゾーニングと呼ばれる作業です。ゾーニングとは、道路や隣接地との関係、日当たり、空間の広さなど様々な条件をチェックして庭をいくつかの空間に分け、それぞれに役割を振り分けることです。基本となるのは、一番広くとり目的に合わせて活用できるメインガーデン、家事などの作業用スペースになるサービスヤード、駐車場や道路から玄関までの通り道となるアプローチの3つです。

これらの役割を適切に当てはめるためには、やはり現地に赴いてしっかりと確認する必要があります。例えばメインガーデンにバーベキューなどができるようなデッキなどを設けたいと考えている場合、日中の日当たりはもちろんのこと、プライバシー面の確認も非常に重要です。道路から丸見えだったり、隣家と近接しすぎている場合、一目が気になるのはもちろん、ご近所からの苦情の原因にもなりかねません。

また、アプローチを設ける際には、プライバシー・防犯には十分注意する、いわゆるお勝手のような役割を持つサービスヤードはゴミ出しなどの家事動線を妨げない場所に設けるなど、役割に合わせた配置をよく考えましょう。ベストな配置にするためには、できれば朝・昼・晩と違う時間帯で現場を訪れて状況や日当たりなどを確認することが大切です。

もう1つ庭づくりを考えるうえで気を付けなければいけないのが、維持に関することです。庭というのは、当たり前のことですが基本的には雨ざらしの状況です。また、観賞用に草木を植えれば、それは植えたままの状態でいつまでも不変のものではありませんし、放っておけば雑草も生えてきます。特に共働き家庭や子育て世帯はなかなか庭の手入れに使う時間をとるのは難しいこともあるでしょう。

したがって外構プランを考える際には、希望や理想だけでなく、その後の維持のしやすさについてもきちんと考慮にいれておく必要があります。例を挙げると、雑草が生えにくいように土の出る部分は最低限にする、草木は手入れのしやすさを第一に考えて選ぶ、ウッドデッキは傷みにくい人工木にするなどが対策として考えられます。

建物や周囲の風景と調和する美しい庭は、大切な我が家を一層素晴らしいものに見せます。ぜひ外構プランニングのコツをしっかりおさえて、最高の庭を作り上げましょう。

ずっと安心して暮らしたい…リフォームありきの家づくりを考える

形あるものが何でもそうであるように、住宅は永遠に完成したときのその状態を保てるものではありません。年月を経れば、その分だけ傷み、劣化していきます。とはいえ傷んで古くなったからといって、その家を手放すという選択は注文住宅の場合、ほとんどないと思います。建物だけでなく、土地を手放すことにもなってしまいますし、何より最長35年という住宅ローンの返済期間の長さが重くのしかかってきます。

そこで登場するのがリフォームという選択肢です。今まさに新築で家を建てようという時ではあまりピンと来ないかもしれませんが、注文住宅で家を持った以上いつかは家の一部、あるいは大半のリフォームが必要になります。設備や材質によっても異なりますが、一般的には水回り設備で10年~15年、外装なら10年前後でリフォームのタイミングが来ると言われています。

また、その家に住み続ける何十年という月日の中で、家族が増えたり、子どもが大きくなって独立したり、自分自身も年を取ったりと様々な変化が起こります。そうしたライフステージの変化に合わせてリフォームを考えるというのも、快適な暮らしを長く続けていくためには大切なことなのです。そこで今回は、ずっと安心して我が家で暮らしていくための、リフォームありきの家づくりについて考えてみましょう。

まず知っておいてほしいのは、建物の工法・構造によってリフォームのしやすさは異なるということです。ごく一般的な住宅工法の1つである木造建築の軸組工法は、軸となる柱・骨組みさえしっかりしていれば屋内の構造変化には比較的対応できるので、大規模なリフォームも可能です。また、あとからの増築もしやすいと言えます。

一方同じ木造建築でも2×4構造の場合、柱ではなく壁や床といった構造合板の面で建物を支えています。そのため、間取りの変更や開口部の移動といった内部の大きなリフォームに対応できない場合もあります。建物の構造や耐力性に影響を与えないリフォームをするためには、必ず事前に最初の施工を依頼した業者に相談するようにしましょう。

鉄筋コンクリートのいわゆるRC造や、鉄骨造といった屋内の壁や床も含めて建物が一体となって構造体を形作っている工法では、その部分には基本的に手を加えることはできません。やるとすれば、非常に大掛かりな工事になるでしょう。後から部屋を付け加えるような外側への増築も非常に難しくあります。ただし構造体ではない部分の壁や柱などについては手を入れることは比較的容易にできます。

どんな工法を選ぶにせよ1つ言えることは、建築時に将来的なリフォームの可能性を考慮に入れた設計を考えるべきであるということです。間取りやそれぞれの空間の広さなど、もともとの家の設計が、いずれリフォームをするとなった時に少なからず影響します。注文住宅の設計となるとつい夢や希望ばかりが膨らんでしまいがちですが、先のことまできちんと考えておくことが、良い家づくりのためには必要なのです。

まかせっきりは危険!?知って得する建築現場とのかかわり方

何度も打ち合わせをして納得のいく仕様を作り上げ、ついにこれで着工!と決まった時の達成感というのは注文住宅ならではの喜びの1つです。でもそこで『もうあとは建てるだけ』と安心しきって完成を待つだけ、現場は施工側にまかせっきりというのはあまり良いことではありません。

実際に作業中の現場を訪れて施工の様子を確認できることも注文住宅の大きなメリットです。工事が始まってからもできるだけこまめに現場を訪れて、作業の進み具合を確認するのが望ましいでしょう。それも、ただ単に『前回よりも進んでいる』ということを見るだけではあまり意味がありません。そこでここでは知って得する注文住宅の建築現場とのかかわり方をこっそり教えちゃいます。

一般的な木造住宅の建築はコンクリの基礎打ちから始まり、一気に土台作りから上棟、そして屋根葺き、外装・内装と進んでいきます。少なくともこの段階ごとに現場を訪れ、図面と照らし合わせながら確認するのがおすすめです。というのも、家づくりというのは結局のところ大工さん・職人さんの手作業ですから、どこでミスが出ないとも限りません。しかも、現場の担当者とは直接打ち合わせをする機会というのは基本的にないので、行き違いが生じやすいのです。

そこでまめにチェックをし、万が一図面通りではないというところを発見した場合には、現場の職人さんや、言いにくければ後日施工側の営業担当に伝えましょう。早い段階で指摘することで、『完成してみたら間違っていた』というがっかりな展開になるのを防ぐことができます。そういったミスの確認と、記録・記念の意味も含めて、現場には必ずカメラか場合によってはビデオを持っていき、全景や気になるところはデータとして残しておくのがよいでしょう。

ちなみに案外大事なのが、現場を訪れた際の職人さんとの接し方です。現場を訪れる際、黙って入り込んで勝手に写真や動画を撮って帰っていくというのは、いくら自分の家とはいえあまりほめられた態度ではありません。

現場によっては、ヘルメットをかぶることが義務付けられていることも多いですし、作業を妨げてしまうことになりかねません。やはり現場の職人さんや大工さんにはきちんと挨拶をし、作業の邪魔にならないように心がけて行動することが大切です。特に外壁周りの足場や2階への階段代わりの梯子を上るときは、現場の人に一言確認を取った方がよいでしょう。

また、これはよく言われていることですが現場を訪れる際には職人さん・大工さんに差し入れを持っていくことをおすすめします。猛暑の夏も寒い冬も吹きさらしに近いような現場で作業をする人たちには差し入れがとても喜ばれます。もちろん、差し入れの有無で出来栄えが変わるようでは困りますが、人情としてあった方がよいというのは事実です。

生ものや食事などは現場の環境によっては食中毒の危険があるので、避けた方が無難です。やはり一番間違いないのは、筆者の経験上缶コーヒーです。人数分でいくつか種類を用意して、お昼の休憩中などであれば直接渡し、作業中は邪魔にならないところにおいて一声かけておきましょう。

こうして現場とコミュニケーションをとりながら工事の進捗を見守っていくことで、より我が家への愛着も強くなります。ぜひこの記事を参考にして現場と積極的にかかわりながら、工事期間を楽しんでください。