どう進む?どのくらいかかる?注文住宅づくりの流れ徹底解説

いつかは注文住宅でマイホームを建てたい!と考えていても、いざ実際に着手しようと思うとまず何から始めたらいいのかよくわからない…という人も多いのではないでしょうか?また、お子様の学校の事情などで区切りの良い時期に引っ越しできるようにしたいのであれば、それに合わせて行動をスタートしなければなりません。そのためには、注文住宅の建築に必要な期間を知っておく必要があるでしょう。ここではそんな、案外知らない注文住宅づくりの流れについて徹底的に解説していこうと思います。

当たり前のことですが、家をつくるためには土地が必要です。したがって注文住宅をつくろうという場合、多くの人は土地探しから取り掛かることになります。この土地探しというのがなかなか簡単なことではなく、希望の条件と予算のバランスが取れるベストな土地と出会うことができるかどうかは本当に運次第という部分も少なくありません。運が良ければ探し始めてすぐに見つけることができますが、人によっては土地探しだけで数年かかってしまう人もいます。

そして土地の目星がついたら、今度は施工業者を決めなければなりません。というのも、ほとんどの宅地向けの土地は購入後近々で住宅の建築に取り掛かることが条件となっています。したがって土地購入前の段階で施工業者を正式に決めておく必要があるのです。したがって業者探しは土地探しと並行して積極的に進めておくことをおすすめします。土地は流れ者ですから、目当ての土地が見つかったらすぐに契約に取り掛かれる状態にしておくことが望ましいのです。

土地の契約を進めるとのほぼ同時に、施工業者との仕様打ち合わせに入ります。外装や間取り、設備機器・電気関係の配置など、ほとんどのことはこの段階で決定することになります。そしてここで初めて住宅の工事請負契約を交わすわけです。ここまででだいたい1,2か月程度はみておきましょう。この契約後も内装・外装・設備機器などの色や材質、後付のカーテン・照明などの細かな仕様を変更することはできますが、大掛かりな間取りや設備グレードの変更は予算の大幅アップにつながるので避けた方が賢明です。

この段階で注文住宅の建築にかかる費用というのはほぼ確定するので、住宅ローンの申し込みをすることになります。というのも、施工を請け負うハウスメーカーなどのほとんどは着工前の段階で建築費用の3分の1程度を支払う取り決めをしています。したがって少し早く感じるかもしれませんが、このタイミングでの住宅ローン借り入れとなるわけです。住宅ローンの審査から実際に借入ができるまで金融機関によっては2週間くらいかかることもあります。

そしていよいよ着工です。だいたいは整地と必要があれば地盤改良で2週間程度を要します。そして地鎮祭を済ませ、基礎から取り掛かるわけです。一般的な木造住宅であれば鉄筋のベタ基礎打ちから上棟まで1か月、外装と内装に1か月、さらに仕上げと危機取り付けで1か月と、だいたい3か月ほどで住宅としては完成します。そこから立ち会い検査を済ませ、ついに引き渡しとなるのです。

以上が注文住宅の取り掛かりから完成までの流れです。スムーズに行けば半年ほどで家が建つ計算になります。もちろん、仕様が決まらなくて打ち合わせの回数が増えたり、構造が複雑で建築の手間がかかったりなどということがあれば、もっと時間がかかってしまいます。1つの目安として、ぜひ参考にしてください。

お悩み解決!暮らしやすい間取り3つのチェックポイント

注文住宅をつくるうえで一番のメリットといえば、間取りや設備を自由に設定できることだと考える人も多いのではないでしょうか?マンションや建売住宅ではできない、自分らしい、我が家ならではの空間を作り上げることを考えれば、自然と心は弾むというものです。ただその一方で、自由だからこその難しさというのもまた出てきてしまいます。

図面を見ているときは『これがベストだ!』と思っていたのに、いざ暮らしてみたら思いがけない不満が…というのは注文住宅においては珍しいことではありません。でも失敗したと思っても簡単には建て直すわけにはいかないのが家というものです。そこでここでは、そんな間取りの失敗を未然に防ぎ、暮らしやすい我が家をつくるための3つのチェックポイントをご紹介しましょう。

1つ目は生活動線とプライバシーの問題です。朝起きてから寝るまで、家族それぞれが家の中で様々な動きをします。間取りによってはこれがスムーズにいかず、住み続けているとストレスになってしまうことがあるのです。特に家事をメインでする奥様の動線というのは非常に重要です。キッチンの中だけでも、キッチン本体と冷蔵庫や収納との配置が違うだけで、作業効率というのは全然変わってきます。また、広い視点で見れば洗濯機のおいてある洗面所と物干し場が遠いなども問題になりやすい部分です。

プライバシーに関していえば、最近では家族が常に顔を合わせられるオープンな間取りというものが人気を集めています。しかしたとえ家族であっても、最低限のプライバシー、1人になりたい時になれる空間というものが全く必要がないとは言えないでしょう。例えば仕事で疲れたお父さんが自分の時間を持てる書斎スペース、思春期の娘が誰にも邪魔されずに過ごせる子ども部屋など、小さな空間でもよいのでプライバシーの確保を考えてみることをおすすめします。

2つ目は風や光、熱効率などの自然との兼ね合いです。最近の住宅性能の向上は目覚ましく、高気密・高断熱の1年中快適に暮らせる家が当たり前になってきています。しかしそんな中でも風通しや光の入り具合などの自然の取り入れ方、空調を無駄なく活用する熱効率などを考えることは、居心地の良い我が家をつくるためには欠かせないことです。

窓の配置を決める際には、風が通りやすいように対角線上を意識し、なおかつ冬の日差しを取り込み、夏の日差しを避けられるような工夫を凝らしてみましょう。また、家を広々と見せると人気の吹き抜けやリビング階段ですが、特に冬場の暖房効率が気になるところです。床暖房を取り入れるなどの対策が必要になるでしょう。

最後の3つ目は、最終的に家具を配置し、すべてのものを収納しなければならないということを意識した間取りにすることです。いざ引っ越してみたら、窓や建具との兼ね合いで家具が思ったように置けない、収納が足りずせっかく広めにとったリビングにものがあふれてしまった…などというのは、注文住宅を建てた人の失敗談としてよく聞く話です。図面上では本当になんとでもなるように感じてしまいがちですが、特にあとからではどうにもできない収納に関してはよくよく余裕を見ておくようにしてください。

以上の3つのポイントが、注文住宅の間取りを考えるうえで基本ともいえるところです。これらを踏まえて、最高の間取りを考えましょう。

オール電化と電気・ガス併用…結局どっちがお得なの!?

設計するうえでの自由度が高いというのは注文住宅ならではの魅力ですが、それゆえに複数の選択肢を提示されて悩む機会が増えてしまうのは否めません。中でも最近悩ましい選択の1つとしてよくあげられるのが、『オール電化か、電気・ガス併用か』という問題です。

この点に関して、『結局のところ使う人の好みである』ということがよく言われます。それももちろんそうかもしれませんが、光熱費というのは住宅のランニングコストの中でも大きな割合を占める部分です。したがってやっぱり一番気になるのはお得さですよね。そこでここでは、オール電化と電気ガス併用という2つのエネルギー利用方法を、主にコストという面に重点をおいて比較してみましょう。

この2つの比較に入る前に、1つ踏まえておいてほしいことがあります。エネルギー源のコストというのは単純に光熱費だけでなく、加熱機器や給湯器などの機器類の導入時にかかる費用も考えなければならないということです。導入時の費用は一時のことのように思われますが、実際には住宅ローンへの上乗せという形で長い期間少なからず家計に影響を与え続けます。したがって光熱費だけに注目して導入時の費用を度外視することはあまりおすすめできません。

ではまずはオール電化の場合から考えてみましょう。オール電化というのは単純に光熱源をすべて電気でまかなうスタイルを指します。建築時にガス管の引き込み・敷設が必要ないので、その分の工事費約20万円前後を節約することができます。

ただし機器類に関しては、比較的コストが高めになってしまう傾向があります。IHヒーターや専用レンジフード、電気でお湯をつくるエコキュートなどは同様の働きをするガスで使える設備機器よりも高価であることがほとんどです。また、工事費も割高になるでしょう。機器・工事費合わせて100万円以上になることもあります。そう考えると、導入時の費用は相対的に高くつく計算になります。

しかし実際に使い始めてみると、オール電化の方が光熱費がお得に住住む可能性が高いでしょう。というのも、ガスの契約がない分、毎月の基本料金が電気のみで安く抑えられます。しかもたいていの電気会社はオール電化住宅に対して種々の割引サービスを設定しています。したがって、電気を通常よりもお得に利用できるのです。

一方、電気・ガス併用にするとどうでしょうか?敷地内への電気・ガス双方の配線コストがかかりますが、設備機器類やその工事費はオール電化の半分から場合によっては3分の1程度で済みます。つまり導入にかかる費用は確実にオール電化よりも安く上がるわけです。

ランニングコストについては、電気・ガス併用では基本料金が両方ともかかってしまうこと、電気料金の割引がほとんどないことなどを考えると、おそらくオール電化よりも光熱費は割高になるでしょう。だいたい1~3割程度は差がつくと言えます。

以上から、コストでオール電化と電気・ガス併用を比較すると導入時の費用では電気・ガス併用、ランニングコストではオール電化に軍配が上がることがわかります。長い目で見ればオール電化の方がお得に使える可能性が高いと言えるでしょう。ただし初期費用に余裕がないと、住宅ローンに上積みする金額が単純に増えることになってしまいます。よく考えて、ベストな道を選びましょう。

地鎮祭に上棟式…知っておきたい住宅づくりの儀式のこと

注文住宅を建てるという経験は、人生においてそう何度もできるものではありません。マイホームを購入するというカテゴリの中でも、マンションや分譲、あるいは中古住宅ではない、新築の注文住宅を建てられる人というのはごく限られています。だからこそ実際に『家を建てよう』と決意して、建築に向けて動き出して、初めて知ることというのは思った以上に多いものです。

その1つとして、住宅づくりにかかわる儀式が挙げられます。家づくりの段階に応じていくつかの儀式があり、基本的にはハウスメーカーや工務店の担当者が流れを取り仕切ってくれることがほとんどです。とはいえせっかく自分の家を建てようというのですから、せめて行われる儀式のいわれや流れくらいは知っておきたいものです。そこでここでは、注文住宅の家づくりにかかわる主な儀式について少し詳しくご紹介しましょう。

まず1つ目は、地鎮祭です。地鎮祭というのはその土地の神様を祀り鎮め、工事が安全に順調に進むようにと祈願する祭祀です。着工前のまだ土地が更地の状態の時に、暦上の吉日を選んで行われます。住宅を建てる際にはほぼ必ず行われる大切な儀式です。近所、もしくは施工依頼先とゆかりの深い神社から神主さんを呼んで行う神式が一般的ですが、施主の宗教によってはキリスト教式、仏教式なども可能です。

土地に祭壇をつくってお供え物をささげ、祈祷や土地の四方へのお清めを行うというのが通常の流れです。神主さんには『初穂料』という形でお礼をお渡しします。金額はだいたい3万円前後ですが、地域によって相場があるので事前に施工側の担当者に確認しておくことをおすすめします。また、初捕虜とは別に道具やお供え物類の費用として2~3万円必要になることもあります。

もう1つ、よく行われる儀式として上棟式があります。木造建築で屋根の枠組みとなる部分まで作り上げることを棟上げ・上棟などというのですが、上棟式はこの棟上げまで無事に工事が進んだことを祝い、感謝する儀式です。地鎮祭に比べると、儀式的なものよりもお祝いとしての意味合いが強く、施工を担う職人さんへのねぎらいも含んでいます。

基本的には現場の責任者である職人の棟梁が中心となって進めるもので、家づくりにかかわる人が一堂に会する宴会のような場になることも珍しくありません。施主からは棟梁をはじめ職人さんや工事にかかわる人にお祝い金を包むのが一般的です。棟梁など役職者・責任者には1万円、それ以外の職人さんたちにはそれぞれ5千円程度が相場です。

こうした儀式の類は費用がかさむこともあり、最近では省略されたり施工者側だけで簡単に済まされてしまうことも増えてきています。しかし土地の神様にきちんとご挨拶をすること、実際に家づくりに携わってくれている人たちに感謝を伝えること、どちらもとても大切なことのように思いませんか?特に上棟式は、その後のハウスメーカー担当者や職人さんとの関係づくりにも役立ちます。金銭面のことだけでなく、何が本当に自分にとって得になるか、よく考えて決めましょう。

ちゃんと知ってる!?住宅ローンを組むのにかかる諸費用のこと

住宅の仕様もほぼ決定し、だいたいの予算が出ると、いよいよ住宅ローンを組む手続きに取り掛かることになります。しかしここで気を緩めてはいけません。意外と知られていないことですが、実は住宅ローンを組むというそれだけのために発生する出費があります。その金額は時に数十万円に上ることもあり、ギリギリの予算を組んでいるとオーバーしてしまうこともあるのです。ここではそんな住宅ローンの諸費用について、詳しくご紹介しましょう。

まず必ずかかる費用として、印紙税と抵当権設定の登記費用があります。印紙税というのは、金融機関と契約を交わす際に納めなければいけない税金のことです。住宅ローンというのは金銭消費貸借契約に当たるので、これが必要です。借入額によって印紙税は変わりますが、多くの人が収まるであろう一千万円以上五千万円以下の範囲だと1万円になります。

抵当権設定の登記費用というのは、住宅ローンを借りるために担保に入れる土地・建物の登記のための費用です。登記自体にも登録免許税と呼ばれる法務局に納める費用が必要なのに加えて、登記手続きを行う行政書士に支払う費用も発生します。登録免許税は借入額の0.1%、行政書士への報酬は登記の内容や依頼先によって異なりますが、十万円前後は見ておいた方がよいでしょう。

もう1つ、団体信用生命保険料、通称団信という重要なものがあります。団信とは、万が一住宅ローンを組んでいる名義人に命にかかわるようなことがあった場合に、ローン残高を一括で支払う保険のことです。最近ではほとんどの金融機関で、加入が推奨されています。保険料は借入額や返済期間によって異なりますが、支払い自体は住宅ローンの金利にプラス0.3%などというように上乗せされるのが一般的です。

また、金融機関によっては発生する諸費用が事務手数料と保証料です。事務手数料というのはその名の通り、金融機関の融資手続きに対して支払う手数料のことで、だいたいは3万円から6万円前後です。最近は不要なところも増えてきています。

保証料は、万が一ローンの支払いができなくなった時に連帯保証人のような役割をする、保証会社への費用です。団信が適用されない、金銭的な理由などでの返済不可能の場合、この保証会社がローン残高を建て替え、金融機関に一括で支払います。ただしそれでローンの支払い義務がなくなるというわけではなく、その後は保証会社に対して借金を背負う形になるというわけです。金額は保証会社や借入額などによって異なります。金融機関によっては『保証料不要』をウリにしているところもありますが、その場合金利が高めに設定されていることも多いようです。

そして最後に紹介するのが、火災保険・地震保険などの各種保険です。特に火災保険は加入が義務付けられているところがほとんどです。地震保険の関しては任意のところが多いですが、万が一のことを考えると加入しておくことをおすすめします。保険会社や保険の内容などによって異なりますが、数十万円単位になることも珍しくありません。

以上が住宅ローンを組むために必要になる主な諸費用です。土壇場であわてる羽目にならないように、事前にしっかり頭に入れておきましょう。

やっぱり損はしたくない!いちばんお得な住宅ローンの選び方

家を建てるとなった時、その費用を即金で支払うことができる人はなかなかいません。一般的には、できればいくらか頭金を用意して、残りは住宅ローンを組んで支払っていくということになると思います。住宅ローンは金額はもちろんのこと、支払い期間も最長35年とかなりの長期にわたるものです。そう考えると、やっぱり損になるようなことはしたくないですよね。でもほとんどの金融機関が住宅ローンを商品として取り扱っている中で、たった1つを選ぶのは簡単なことではありません。

お得な住宅ローンを選ぶには、どうしたらよいのでしょうか?住宅ローンを選ぶ際、重要なポイントが2つあります。金利の種類と返済方式です。この2つの要素が住宅ローンの総支払額を左右するといっても過言ではないでしょう。ここではそれぞれについて、詳しく解説していきましょう。

まず住宅ローンの金利の種類というのは大きく2つに分けられます。固定金利と変動金利です。固定金利というのは、その名の通り返済期間中の金利が一定で変わらないタイプの商品です。返済開始から完了まで全く金利が変わらない全期間型固定金利と、5年、10年など一定期間を経ると金利がアップする段階型金利があります。

固定金利のメリットとしては、返済開始時点で返済額がわかるため、家計管理が比較的楽になるということが言えます。また、金利が低い時期に組めば将来的に金利が上がってもダメージを受けないというのも魅力的です。ただし金利の高い時期に固定金利で住宅ローンを組んでしまうと、いずれ世間的に金利が下降傾向になっても高い金利を支払い続けなければならないというリスクはあります。

もう1つの変動金利は、世間の金利動向に合わせて定期的に金利が見直されるタイプのローン商品です。たいていは年に2回金利の見直しがあり、金利が変更になっても毎月の返済額の変更は5年ごととなっています。金利が下がっていく時期であれば、固定金利よりも返済額を低くすることが可能なのがメリットです。ただし金利が上昇してしまうとそれに合わせて返済額も増えてしまいます。しかも月々の返済額の変更は5年ごととやや長期スパンなので、その間は元金があまり減らず、最終的な支払額は大きくなってしまう可能性が高くなります。

固定金利と変動金利はどちらがよりよいというものではなく、その時の金利動向などによってベストな選択というのは変わってきます。ただし基本は、固定金利の方が低リスクであるという見方が一般的です。

返済方式には元利均等返済方式と元金均等返済方式の2種類があります。前者は元金と利息合わせて、毎月の返済額を一定にするやり方、後者は借入元金を均等に割り、それにその時点での残高に対する利息をプラスして毎月の返済とするものです。

元利均等返済方式は返済計画がわかりやすいですが、最初のうちは金利の占める割合が大きくなってしまうため元金の減りが遅いというデメリットがあります。一方、元金均等返済方式は、元金を早く減らすことができますが、その分前半の返済負担は重くなってしまいます。これもまたどちらが良いというよりも、より自分自身の資金計画にそぐうものを選ぶべきでしょう。

ライフプランと相談!注文住宅を建てるベストなタイミングって?

いつかは憧れのマイホームを…と考えていても、では実際にいつ住宅購入に動き出す決断をするのかというのは、案外難しいところです。結婚したての早い段階では貯金額や不確定な家族構成が気になる、でも遅すぎると定年までにローンが支払えるのか…考えれば考えるほど悩みは尽きないでしょう。

ましてや注文住宅を建てるとなると、いざという時にマンションのように簡単に引っ越しをしたり、人に貸すわけにはいきません。そこでここでは注文住宅を建てるベストなタイミングについて少し突き詰めて考えてみましょう。マイホーム購入のタイミングを考えるうえで軸となるポイントは2つあります。『子ども』と『お金』です。それぞれについて詳しく解説していきます。

まず子どもに関していえば、『できる前に買うか、できてから買うか』というところから話を始めなければいけません。子どもがいないうちに家を建てるということは、結婚して間もない段階での決断になることが多いと思います。

その場合のメリットとしては、賃貸に住む期間が短くなる分、家賃に無駄なお金を支払わなくてよいこと、そして特に共働きの場合は子どもが産まれてからよりも圧倒的に金銭面で余裕があり、早めの繰り上げ返済なども考えられることが挙げられます。

ただその一方で、子どもが産まれて何らかの事情で妻が退職せざるを得なくなった場合、予定より多く子どもができてしまった場合など、当初の返済計画が家計を苦しめる可能性があるので要注意です。また、思いがけず家族が増えた、あるいは少なかったなどで、間取りや設備などに後々不満を感じる羽目になることもあり得ます。

そして子供ができてから家を建てようという場合も、どの段階で、ということが問題になります。住宅購入のタイミングの目安の1つとして、『子どもが小学校に上がる前』ということが言われています。転校によって子どもが受けるストレスなどを考れば、これは妥当なところでしょう。ただし公立の小学校の場合、幼稚園からの友達が大勢同じ小学校に行くことになるということも少なくありません。したがって、より子どもにとって過ごしやすい環境をと考えるのであれば、集団生活に入る前、子どもが2歳前後ぐらいまでに決断してしまった方がよいでしょう。

次にお金について考えてみましょう。生涯を通したライフプランにおいて、大きなウエイトを占めるのが子どもの養育費と老後の資金、そして住居にかかる費用です。住宅ローンを組む際には、この3つのバランスをよく考えなければいけません。無理な住宅ローンを組めば他の2つに差し支えることは言うまでもないでしょう。

子どもができる前、あるいは小さいうちの早い段階で家を建てるならば、子どもの成長につれて教育にかかる費用が大きくなることを見越した返済計画を立てる必要があります。逆に40歳前後以降の遅めのタイミングでの購入を考えているのであれば、それまでにある程度頭金を貯めて定年後まで住宅ローンを引きずらないような計画を立てることをおすすめします。

注文住宅を建てるのに焦りは禁物です。しっかりライフプランと相談して、ベストなタイミングを見極めましょう。

最重要!大切なマイホーム、どんなところで建ててもらう?

注文住宅というのは、一生にそう何度も建てる機会のあるものではありません。だからこそ、後悔のないものを…と願うのは当たり前のことですよね。そこでとても重要になるのが、どんなところにその大切な我が家の家づくりを頼むのかということ。理想の注文住宅を現実のものとするためには、施工の依頼先選びというのは決しておろそかにしてはいけない部分です。

最初に知っておいてほしいのは、注文住宅づくりを請け負う業者にも種類があるということです。全国的に展開し、どの住宅展示場を訪れても名前を見かけるような大手のハウスメーカーやそれよりもう少し規模の小さい中堅ビルダー、地元に根付いて地域密着型の営業をしている地場の工務店、そして少し毛色の違う設計事務所…注文住宅を頼む先としては、だいたいこの3種類が主だったところと言えるでしょう。この3つの特徴について、ここでは少し詳しく説明します。

まず大手ハウスメーカーや中堅ビルダーについてです。この類の業者はテレビで頻繁にCMを見かけることもあり、おそらく家づくりを考えた時に真っ先に候補に挙がるでしょう。価格帯は比較的幅広く、様々な工法やなどの特色を打ち出しているところも多いので、そういったところから絞り込んでいくことになります。

ある程度仕様が規格化されているところが大半なので、設計上の自由度は比較的低いと言えます。とはいえ会社としての信頼度の高さや品質、完成後のアフターフォローや保証制度などのシステムがしっかりしているところは魅力的です。中堅ビルダーでは、メリットとデメリット、それぞれがもう少し和らぐと考えてください。

地場の工務店は、一昔前でいえば大工の棟梁が店を持っていたようなところです。ただし近年ではその経営スタイルも多角化してきており、外部の設計事務所と連携してデザイン性を打ち出したり、ハウスメーカーのように住宅の使用を商品化したりと、様々なタイプの工務店があります。

したがって一概にメリット・デメリットというのを挙げることは難しいでしょう。コストや品質、デザイン、そしてアフターフォローなど、何を見ても本当にその工務店によるとしか言えません。1つ間違いないのは、もししっくりくる工務店に出会うことができれば、他のどこに任せるよりも理想的な注文住宅を作り上げることができるであろうということです。工務店に注文住宅を施工を頼みたいのであれば、とにかく情報収集は密に行うことをおすすめします。

そして最後は設計事務所です。設計事務所の一番の特徴はとにかくデザインにこだわった住宅づくりをしているというところにあります。建築家と呼ばれるいわゆる『図面をひく人』が主だった運営者で、たいていの場合施工は別の工務店などが請け負うことになります。とにかく他にはないデザイン・空間を持つ家にしたいというのであれば、設計事務所が最適でしょう。

ただしコストについてはやはり高めになってしまいます。こだわりの分だけ建築費用は上がりますし、設計事務所に設計を依頼すれば設計料として別途費用が発生するのが基本です。また、設計事務所にも得意分野というものがあるので、住宅のことは住宅に強い設計事務所に頼むのがやはり確実です。

それぞれの違いがおわかりいただけたでしょうか?3種類それぞれで全くタイプが異なるので、一概にどこがベストということはできません。よく比較し、考えて、念願のマイホームをゆだねる相手を決めましょう。

ずっと住む場所だから…まずはここから!ベストな土地の選び方

注文住宅の建築を考える際、親から受け継いだ土地があるから…という幸運な人ももちろんいると思います。しかしその一方で土地探しから始めるという人も少なくありません。土地というのは住宅同様安い買い物ではないですし、一度購入したら長く住み続けていくことになります。また、不動産としての資産価値というものも忘れてはいけません。そう考えると、ある意味では住宅づくりよりも土地探しというのは重要ということもできます。

ですが土地を探すというのもまた人生においてそう何度もあることではありません。いざ我が家にふさわしい土地を…と思っても、いったいどうやって探せばいいのか、最終的な決断をどのように下せばいいのか、わからないことだらけではないでしょうか?ここではそんな注文住宅建築に向けてのベストな土地の選び方についてご紹介します。

まずは土地購入の一般的な流れから解説していきましょう。土地を探すとき、ネットなどの情報を見て自分で探すという方法もありますが、どうしても情報量には限りがあり、なかなか自力でベストな土地を見つけるというのは簡単なことではありません。そこで頼りになるのはやはり不動産仲介業者などの専門家です。不動産業者に予算や広さ、立地条件などの希望を伝え、いくつかの候補を出してもらいます。そして気になるところを実際に見に行って、OKならば最終決定に至るわけです。

文字にすると至極簡単そうに感じられますよね。実際、土地購入の流れ自体はそう複雑なものではないのです。面倒な手続きもほとんどは不動産仲介業者に任せることができます。したがって購入者であるあなたが頭を悩ませるべきことはただ1つ、より良い土地を選ぶことです。ベストな土地を選ぶためには、大事なポイントが2つあります。

まず1つは、予算を含めた土地の希望条件をきちんと決めておくことです。これから何十年と住み続けて言うことになる場所ですから、希望というか理想というのは当然あると思います。広さや交通の便の良さ、日当たり、隣接する土地や徒歩圏内の施設などの周辺環境…気になることを挙げれば枚挙に暇がありません。

しかし残念ながら、たいていの人にとって予算というのは無限なものではないのです。そこで大切なのが、条件に優先順位をつけ、これだけは譲れないというものをはっきりさせておくことです。また、それぞれの条件について『このくらいまでなら』という許容範囲を考えておくこともおすすめします。

2つ目は仲介業者選びをおろそかにしないことです。不動産の仲介業者には大きく分けて3つのタイプがあります。全国的に拠点を持つ大手業者、特定の地域に数多くの拠点を置いている中堅業者、そして個人で古くからやっているような地場の中小業者です。

情報力でいえばやはり大手業者が一番ですが、中堅業者も極限られた地域に関しては強力な情報網を持っています。また地場の中小業者では他では見つからないような掘り出し物物件が出てくることもあります。担当者の営業力に関しては、個人の差が出てくることも多いですが、やはり大手になるほどビジネスライクな部分はあるようです。

土地は縁ものと言います。探し始めてすぐに理想的な土地と出会うこともあれば、何十年探してもこれという土地が見つからないこともあるのです。そうした中でできるだけ早くベストな土地を見つけるために、抑えるべきポイントはしっかりおさえておきましょう。

土地・建物だけじゃない!意外と知らない注文住宅建築費用のこと

マイホームを手に入れるというのは、人生の中でも大きな出来事の1つです。ましてや注文住宅となれば、その楽しみや喜びは一層強く、夢も膨らむことと思います。とはいえやはり気になるのは、お金のことですよね。『家を買う』というと、建物プラス場合によっては土地の費用だけで予算を組んでしまいがちですが、注文住宅を建てようという時にはそれでは計算が合いません。

何もない土地に1から住宅を建てるの注文住宅の場合、マンションや建売住宅を購入するのとは全く異なる費用が発生します。それを度外視して土地・建物の予算設定を考えてしまうと、最終的に驚くほどの予算オーバーになってしまうことも十分にあり得るのです。ここではそんな土地・建物以外の注文住宅建築費用について詳しくご説明します。

まず土地を購入する場合にかかる費用について考えてみましょう。土地を購入する際に、その土地の持ち主と直接交渉をするということは基本的にはありません。不動産業者を間に入れて購入手続きや交渉を進めることがほとんどです。そうすると、間に入って仲介業を行った不動産業者に対して仲介手数料というものが発生します。その金額は法律で定められており、土地の取引額の3%プラス6万円です。例えば2000万円の土地を購入すると考えると、実に66万円の費用が別途発生するのです。

建物に関しても、本体価格だけで考えるのは危険です。ハウスメーカーなどのある程度仕様が決まっているところならともかく、地場の工務店や設計事務所などに依頼するとなると、建物代とは別に設計料というものが発生することがあります。だいたい10%前後ですが、実績・知名度のある設計事務所などでは25%近くとられることもあります。

また、土地・建物それぞれの登記手続きや建物の行政への確認申請が必要になるので、その費用も考えておいてください。土地や建物の広さ・規模などにもよりますが、合わせると50万円近くかかることがあります。

いざ建物を建てるとなると、まずは地盤調査が必要です。調査費用だけでだいたい10万円くらいかかり、さらに地盤改良が必要となるとまた数十万円の費用が発生してきます。また、まったくの更地を購入すると、インフラ設備は通っていないことがほとんどです。給排水設備やガス・電気など配線を整えるのに、だいたい100万円近くかかることもあります。

そしてせっかくのマイホームをより理想に近いものにするためには、インテリアや外構といったことも考えておかなければいけません。インテリアに関してはもともと手持ちのものを利用すれば予算はある程度おさえることができます。しかし、間取りや窓のサイズに合わせたカーテン・照明など最低限必要なものだけでも、20万円近くは見ておいた方が安全です。外構については庭の広さや設備、頼む業者によって非常に幅がありますが、最低でも50万円以上は覚悟しておいてください。こだわれば数百万円とかかることも珍しくありません。

さらに地震や火災などの各種保険、ローンを組むための諸費用なども考えなければいけません。これらの土地・建物以外の費用をすべて合わせると、数百万円から場合によっては一千万円近くかかることも十分にあり得ます。くれぐれも事前にしっかりすべての費用を把握して、余裕のある予算設定を心がけてください。